2015年5月9日土曜日

Sous les jupes des filles

11人の女優たちが競演する、

Sous les jupes des filles 

を見てみました。
まさに、(いい意味で)競演という感じ。

https://www.youtube.com/watch?v=jQDlqAJcpZ0

物語は、込み入りすぎていて、
簡単には辿れないんですが、
たとえば、
ジェラルディン・ナカシュが演じるイズィスは、
27歳で3人の子持ち、夫は典型的な仕事オンリータイプ。
で、生活と、家政婦的な役割に疲れた彼女は、
マリというステキは女性に誘われ、
レスビアンの世界にのめりこんでゆきます。
また、ヴァネッサ・パラディ演じるローズは、
成功した会社の社長さんですが、
悩みは、友達が一人もいないこと。
でもまあ、この性格じゃあ……と思わせるわけですが
(予告編では、医者に対して、
C'est quoi, les femmes comme moi ?
わたしみたいな女って、どういう意味?
とキレ気味に言ってますね。)
で、新人秘書であるアドリーヌ(アリス・ベライディ)に命じるわけです、
わたしに友達を見つけなさい! と。
そしてこのアドリーヌは、実はイズィスの夫と浮気中で……
という感じ。
11人の女性それぞれに物語があり、
それらが、網の目のように絡まっているわけです。

この映画は、どうも評価が分かれているようです。
たしかに、これじゃこんがらがりすぎ、ともいえるかも。
また、(ないものねだりではあるのでしょうが)社会性がきわめて薄い、
ということもあります。
11人の中に、はっきりブルーカラーの女性は、一人だけです。
わたしも見ていて、前半は、
贅沢な愚痴を聞かされているようなところもありましたが、
見ているうち、登場人物たちの「もがき」がリアルに感じられてきて、
物語にの中に入ることができました。
だからトータルでは、
おもしろかったと言えそうです。

女優さんの中には、
コルシカ島出身のレティシア・カスタ、
父親がアルジェリア系である、
イザベル・アジャーニやアリス・ベライディなどが含まれています。
アリスは、この映画にも出ていました。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/04/les-kaira.html

こちらでは、アルジェリア系であることが前景化していました。
アジャーニはわかりにくいですが、
アリスの場合は、見てわかるマグレブ系です。
11人もいれば、当然入っていないとですね。
ちなみに、ジェラルディン・ナカシュはユダヤ人ですが、
それはまったく描かれていません。

男優たちについて言えば、
パスカル・エルベ(彼もユダヤ人です)や、
マルク・ラヴォワンヌが登場していました。

そして監督ですが、
これはなんと、
『君を想って海をゆく』で、
ヴァンサン・ランドンの別れた奥さん役を(切なく)演じた、
あのオドレー・ダナ! なんです。
これはびっくりしました。
監督もする人だったんですね。