2015年5月4日月曜日

「豊穣な沈黙、遠回りする行動力――ミショーとル・クレジオの方へ」

今や、若手のフランス文学研究者としては、
突出した一人となっている中村隆之さんが、
ご自身の翻訳書、『氷山へ』の刊行を機に、
B&B に登場します。

http://peatix.com/event/88567?utm_campaign=follow-organizer&utm_medium=email&utm_source=event%3A88567

教師は路上でタイプ打ちを止める。
「どこに行くのかね」
漁師は新聞売りの女のもとに行く。
「なあ、おれたちはこんなふうにしてどこに行くんだ」
若い女は青いレンズの入った眼鏡をしている。
「失礼、ムッシュー、あたしたちはどこに行くのです」

(……)

……いくつもの島、岬、山、窪んだ谷間、沖積平野が現れた。
都市では壁が立て直され、通りは仕事を再開した。寒さから
遠ざかり、空から遠ざかり、海から遠ざかったぼくたちは、騒
音を、ほかのことばを聞くようになりはじめ……
(『氷山へ』より)


そうそう、
中村さんが、『パリ移民映画』を紹介してくれています。

http://mangrove-manglier.blogspot.jp/

Merci beaucoup !