2015年5月7日木曜日

リスボンに誘われて

このところ毎週、
蔦屋でDVD を借りるのですが、
メラニー・ロランが出ているという一点で借りたのが、

『リスボンに誘われて』

です。

https://www.youtube.com/watch?v=cd1mzrKQdyI

スイスのベルンで高校の先生をしていた初老の男が、
自殺未遂をしたある若い女性が持っていた一冊の本に導かれ、
リスボンに赴く、
そしてそこで、
その本の著者の過去を巡るさまざまなことを追ってゆく、
というお話です。
つまり、
現在を生きるスイス人教員と、
本の中の過去が、
いわば対位法的に描かれてゆきます。

本の中の過去とは、
カーネーション革命に至る、
戦後のレジスタンス運動です。
秘密警察(PIDE)との抗争の中で、
革命を目指す若者たちの、
まさに命を懸けた活動が、
現代スイスの高校教員を魅了するわけです。
(メラニーは、「過去」に登場します。)

この映画が、どういう意図で作られたのかは、
よく分かる気がします。
ポルトガルの現代史を描きたいけれど、
それを静的な歴史としてではなく、
今に繋がる歴史として、
青春として、
生の充実として、
描きたい、
それには、大河歴史物じゃなく、
現代と直接繋がる何かが欲しい……
そんな風に思ったのでしょう。

ただ、その意図が成功しているか失敗しているか、
それは微妙なところかもしれません。
まず、全員英語をしゃべっているのが、
ず~っと気になりました。
あり得ないですから。
それから、リスボンに向かう教員のモチヴェーションが、
描き足りていない気もしました。
(このあたりは、原作小説では、
クリアーされている可能性も十分あると思いますが。)

それから、あのシャーロット・ランプリングが出演していました。
『地獄に落ちた勇者ども』(1969)から、
45年も経っているのですね!