2015年5月10日日曜日

『ナタリー』

これも蔦屋で借りた一本、

『ナタリー』

を見てみました。
オドレイ・トトゥ主演です。

https://www.youtube.com/watch?v=KQvvzWDFLRg

ストーリーはシンプル。
ナタリーはフランソワと恋に落ち、結婚。
でもまもなく、フランソワは事故で亡くなり、
するとナタリーの心は冷たく閉ざされ、
仕事だけの人になってしまう。
本人も、もう誰も愛せないかも、と思っている。
でもそんなとき、いわば「さえない男」であるマルキュスに、
無意識に、知らないうちに、キスしてしまう。
それは一つの啓示のようなもので、
その後二人は少しづつ距離を縮めてゆく……

まあ、終わってみれば、ラブコメのようにも感じます。
あまりコメディタッチではないし、
ナタリーの最初の夫は事故で亡くなるので、
ふつうのラブコメとはちがうんですが。
ナタリーのはっきりした性格も気持ちいいし、
マルキュスの不器用さも好感が持てます。
嫌味のない映画だと言えるのでしょう。
(エンディングが、唐突な気もしますが。)

ナタリーとフランソワが出会ったのは、
ビュット・オ・カイユのカフェ、Les Cailloux です。
サンク・ディアモン通りを登り切ったところにあります。
若くて、飾らない地域ですから、
二人も、そういう存在として描かれているのでしょう。

http://scope.lefigaro.fr/restaurants/restauration/bistrots---brasseries---auberges/l-r214161-les-cailloux/static/

一方マルキュスは、スウェーデン人です。
だから、最初のデートでは、
こんな会話が交わされます。
マルキュスはナタリーの部下なので、
vouvoyer です。

「どうしてスウェーデンを離れんですか?」
「いや、それは質問の仕方を変えたほうがいいですよ、
どうして、スウェーデン人たちはみんな、
あそこを離れないのかってね」
「フランス語上手なのね」
「フランスに来て15年経ちますから。
その前はベルギーの大学にいたし」

フランソワという名前は、
よく見かけるわけですが、
やはり、「フランス」を思わないわけにはゆきません。
だとすると、この映画は、
フランス → スウェーデン
の映画だともいえるかもしれません。