クッツェーは、魅力的な小説家です。
ノーベル賞作家ですから、
なんというか、古典的で正統的なものかと構えてしまいがちですが、
実際はきわめて現代的で、ストーリー・テラーとしても一級で、
しかも、そのいわば読みやすい文章の奥に、
簡単にはほどけない魅力的な謎が、
絡まるように伏流しているのです。
(全然ちがうんですが、ふと、ウェルベックを思い出したりもします。)
そのクッツェーの作品の中で、
文庫にもなっていて手に取りやすいものの一つが、
『恥辱』です。
この小説の仕掛けについては、
『鏡のなかのボードレール』、およびくぼたさんに教えられるまで、
見逃していたことがいくつもありました。
たとえば、メラニーという女子大学生についてもその一つです。
http://esperanzasroom.blogspot.jp/2016/07/blog-post_20.html
こんな貴重な指摘を、
ブログで公開してくれるなんて、
くぼたさん、なんとふとっぱらな!