2018年3月18日日曜日

『女っ気なし』

ava という映画について、
もう何度か書きましたが、
その ava の中で少女のお母さん役を演じていたのは、
ロール・カラミでした。
彼女は、MFFF の作品では、
『ヴィクトリア』にも『サマー・フィーリング』にも出ていました。

で、
彼女が出ている別の作品、

『女っ気なし』(2012)

を見てみました。
これは13年に日本で公開されていますが、
わたしは見てなかったので、
今回はフランス版のDVD 、

Un monde sans femmes (『女性たちのいない世界』)

で見ました。
(日本版は、なぜか出てないようです。)

https://www.youtube.com/watch?v=Ek3nituJb3g

1時間に満たない映画で、
要は、ヴァカンスにやってきた母娘と、
現地の冴えない男の交流を描いています。
ロール・カラミは、セクシーな
(「カレシはいないの、わたしと寝たがる男はたくさんいるけど」)
母親役。
冴えない、これはモテないな、と納得させられる男は、
ヴァンサン・マケーニュが演じます。

このヴァンサン・マケーニュ(今年40歳)という俳優が、
わたしはちょっと苦手です。
不器用で、引っ込み思案で冴えなくて、
女性に気後ればかりしている男。
彼の役柄はたいていそんな感じで、
ちょっとパターン化している気がします。
また、ロマン・デュリス(こちらは人気俳優ですが)の場合とちょっと似て、
自分の頼りなさをウリにしているようにも見えるのが、
ピーターパン症候群ぽくって、
ちょっと鼻白む感じなのです。
(とはいえ、頼りがいをウリにするマッチョも、
いかにも古臭くてイヤなんですが。)
もちろんこうした感じ方は、
役柄を俳優自身を半ば混同しているのは否めません。
ただ、こうした役を選択的に演じようとすること自体、
どうかなと思ってしまうのです。

この映画は、飽きずに見ていられます。
ただそれは、母娘が、
特にロール・カラミが魅力的だからなのだろうと、
わたしは感じてしまいました。