2018年3月6日火曜日

『パープル・バタフライ』

で、

『パープル・バタフライ』

を見てみたんですが、

https://www.youtube.com/watch?v=arE7LoHj0P4

Mmm... これはちょっと、
冗長じゃないでしょうか?

時代は2つ。
まずは、1928年の満州(新京)。
そして、1931年の上海です。

新京で、
日本人・伊丹は、
中国人・シンシアと恋仲でした。が、

19275月 山東出兵(第1次)
19284月 北伐再開 →日本、山東出兵(第2次)→済南事件
19286月 張作霖爆死事件


という展開(←映画には描かれていません)の中で、
当然抗日運動が盛り上がり、
1928年8月末、
伊丹は日本に戻ります。
(伊丹の父親は満鉄勤務という設定。)

そして3年後の上海。
伊丹は日本軍の諜報員となり、
兄を殺されたシンシアは、
抗日レジスタンスのメンバーになっています。
つまり、
愛し合ったもの同士が、
敵味方になって戦うという(見慣れた)構造の物語です。

まず、日本人のエリート層である伊丹と、
工場で働くシンシアとが、
どんな風に出会い、恋に落ちたのか、
まったく説明がありません。
だから二人の物語に、イマイチ思い入れできません。
またこの二人の人物については、
葛藤はありますが、
矛盾のない平板な人物設定に思えます。
そして最大の弱点が、
間延びした編集でしょう。

ラストで、
日中戦争当時のドキュメントフィルムが挿入されます。
日本軍が上海を爆撃し、
多くの死傷者が出ています。
このヴィデオそのものは興味深いのですが、
映画のラストには向かないでしょう。
(まあ、なにか事情がありそうですが。)

ちょっとザンネンなデキの映画でした。