2018年3月7日水曜日

La Belle Saison

カトリーヌ・コルシニ監督の作品では、
たとえば『黒いスーツを着た男』は、かなりよかった。

https://www.jiji.com/jc/v4?id=hssfranse-009-16120001

でも、Partir は、わたしにはゼンゼン……でした。

https://www.youtube.com/watch?v=bGwcFnueJD4

で、そのコルシニ監督の作品、

La Belle Saison (2015)

を見てみました。

https://www.youtube.com/watch?v=lZ2Z6mmZSiM

舞台は1971年。
田舎の農場で両親と暮らすデルフィーヌは、
もろもろのしがらみがイヤになり、
自活をすべくパリに向かいます。
そこでたまたま出会ったのが、
キャロルに率いられる戦闘的フェミニストのグループ。
その生きのよさ、快活さ、主張の明快さに、
デルフィーヌもどんどん惹かれてゆきます。
で、
ある時デルフィーヌは、
仲良くなったキャロルの唇にキスするのです。
そう、デルフィーヌはレズビアンでした。
(彼女が田舎を去った、大きな理由の1つだったわけです。)
キャロルのほうは、
実は男性と暮らしていたのですが、
この事件をきっかけに、目覚めるのです。
la belle saison (麗しい季節)の始まりです。
(コルシニ監督自身もレズビアンを公言しています。)
ただ、この季節は長続きしません。
田舎から、デルフィーヌの父親が倒れたという連絡があったのです。
戻ってみると、
厳しかった父親は、
もう話すことも立つこともできない状態でした。
デルフィーヌは、田舎に戻る決心をしますが、
そこにキャロルが現れて……
というお話。

一つ強く思ったのは、
この70年代のフランスにおけるフェミニズム運動は、
パターナリズムからの逃走という意味も、
強くあったのだろうということです。
デルフィーヌはまさにそうだし、
グループのスローガンの中にも、
「わたしたちはわたしたちのもの。
男たちや、先生たちや、パパたちのものじゃない」
というように、
「パパ」が入っているわけです。
これは大きく言えば、
近代化のプロセスと見ることもできるわけですね。

デルフィーヌを演じたのは、
『サンバ』にも出ていたイジア・イジュラン。
キャロルを演じたのは、
セシル・ド・フランス。
戦闘的なレズビアンを演じる彼女を見ていると、
たぶん誰でも、
クラピッシュ監督の3部作におけるセシルを思い出すでしょう。
そして実は、
彼女は Haute Tension Sœur Sourire でもレズビアンを演じているので、
なんと今回が6回目だというのです。

https://www.youtube.com/watch?v=cJWm_rX_N8Y

でも彼女は、
「フランス映画におけるレズビアン」という役割に、
誇りを感じているとも言っています。

http://www.lefigaro.fr/cinema/2015/07/23/03002-20150723ARTFIG00024-cecile-de-france-fiere-d-etre-la-lesbienne-du-cinema-francais.php

ちなみに、セシル・ド・フランスについて、
わたしが一番印象に残っているのは、
この映画です。

http://tomo-524.blogspot.jp/2013/10/mauvaise-foi.html