印象に残るコメディー映画がありました。
これです。
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/12/paris-tout-prix.html
パリで活躍していた女性が、
突然モロッコに強制送還されてしまう話でした。
で、
この映画で、監督・脚本・主演をこなしたリーム・ケリシが、
やはりこの3役をこなして作り上げた映画、
Jour J (2017)
を見てみました。
タイトルの Jour J というのは、
英語で言えば D-Day で、
もとはノルマンディー上陸作戦の決行日を意味していたようですが、
今では、もっと一般的な、
大事な行事の開催日、
くらいの意味で使われるようです。
特に、結婚式の意味ではよく使われるようで、
実は今回もそうなんです。
https://www.youtube.com/watch?v=SpS0Tysi2MQ
ジュリエットは、独身のウェディング・プランナー。
といっても、同僚のクラリスと一緒に運営する小さな会社です。
このジュリエット、
ある仮装パーティーで見かけたハンサム君を速攻ナンパし、
そのまま……へ。
で、また会いたいジュリエットは名刺を渡し、
その夜は別れます。
さてそのハンサム君、マティアスには、
富豪のお嬢さんであるカノジョ、アレクシアがいます。
(もちろんジュリエットは、
マティアスにカノジョがいるなんて知らなかったわけですが。)
そしてアレクシアが、
マティアスのポケットに例の名刺を見つけたからさあ大変。
マティアスにしてみれば、
数年間付き合っていて初めての浮気です。
しどろもどろの言い訳をするんですが、
その時アレクシアが、突如言いだすのです、
「あ、わかった、
わたしに内緒でウェディング・プランナーに会ってたってことは……
もちろんOKよ、結婚する!!」
仕方なくマティアスは、
その誤解に乗っかり、
結婚話は進んでゆきますが、
なんと、実はジュリエットとアレクシアは、
小学校時代の同級生で、
当時太っていたジュリエットは、
アレクシアとその仲間たちにさんざんいじめられていたのでした。
ジュリエットはこんな仕事はしたくないのですが、
同僚のクラリスは許してくれません、
この仕事がないと、つぶれちゃう! と言うのです……
一見重くなりそうな話ですが、
ぜんぜんそうはならず、
話しは軽快に、笑いをとりながら進んでゆきます。
下ネタも満載です。
いくつものコントラストがあるのですが、
中心にあるのはもちろん、
ジュリエットとアレクシアのそれです。
見てわかるアラブ系で、
父親はおらず、気はいいけどアル中の母親を抱え、
子ども時代は貧しく、
そして今はカレシもなく、
でも、仕事をバリバリやりながら、
自分なりに自由に生きているジュリエット。
それに対して、
金髪のヨーロッパ系白人で、
父親は富豪。
まさに何の不自由も知らず生きてきて、
カレシもいて、
インスタグラマーとして3万人のフォロワーを従えるアレクシア。
でも、
アレクシアは、ジュリエットを見ているうち、
ある疑念を抱くようになります。
わたしってほんとに「自由」なの?
そしてもろもろもろもろあったあと、
アレクシアはジュリエットに言うのです。
T’es ni la fille de, ni la femme de.
Toi, t’es toi. T’es libre.
あなたはあなた。自由なの。
アレクシアは、目覚めたのですね。
マティアス役は、ニコラ・デュヴォーシェル。
いつも通りのハンサムです。
アレクシア役を演じたジュリア・ピアトンは、
『最高の花婿』の中の、
4姉妹の一人でした。
http://tomo-524.blogspot.jp/2015/07/quest-ce-quon-fait-au-bon-dieu.html
「ヨーロッパ系白人」の、
典型的とされる容姿に近いのでしょう。
そして彼女は、この映画では、
予審判事をしていました。