一昨日の水曜日、名人戦の第4局がありましたね。羽生2冠が勝ってこれで名人位に「王手」。二人の合計の持ち時間18時間のうち、残りはあと5分! という熱戦でした。
ここ数年、インターネットで将棋をしています。ほぼ毎日、まあ1局か2局。素人のへぼ将棋だから、そんなに時間はかかりません。でも人間相手のゲームは、やはり「将棋ソフト」とは違いますね。相手も自分も、たまに妙にうまい手を指したり、あるいは考えられないへまをしたり。
中学時代、「必修クラブ」という授業(?)があり、誰もが必ず、どこかのクラブに所属しなければならないことがありました。第3希望まで書き込める紙の、第1、第2になにを書いたのか、今は判然としません。わかっているのは第3希望で、それが「将棋部」だったということ。そう、わたしは将棋部に入っていました。
それはたしかに第3希望ではあったけれど、別にいやではなく、グラウンドで歓声を上げるクラスメートを横目に、覚えたての「穴熊」を試みたりするのは、それなりにスリリングなものでした。東京郊外の小さな中学校だったので、中3になると、なんとわたしが1番強かった!
そういえば、映画『王将』を見に行ったのもこのころでした。一人で、吉祥寺まで行きました。それはストーリーに惹かれたからではなく、ただあのセリフ、将棋ファンなら誰でも知っている坂田三吉のあのセリフ、
銀が泣いてる……
それを聞いてみたかったのです。もちろん、フィクションではあるのだけれど。
でその後、自分の棋力を勘違いしたわたしは、高校に入っても将棋部に入部。(これも「必修」ではありました。)なにしろ中学では敵なしだった。かかってこんかい! くらいの鼻息でした。けれども……
井の中の中学生、将棋の強い高校生を知らず。なにしろ、大人と子供というか、まったく歯が立たない。序盤だけがあり、中盤も終盤もましてクライマックスなどどこにもない。始まったとたん、急転直下、
王が泣いてる……
というわけで、わたしの「(『星の王子様』風に言えば、)将棋指しとしての人生だったかもしれないもの」は、このときすべて終わってしまったのです。
ところで最近読んだ将棋関係の本といえば、『泣き虫しょったんの奇跡』(瀬川昌司)です。瀬川さんは、サラリーマンからプロ棋士になるという、まさにジャパニーズ・ドリ-ムを実現させた人です。いい話でした。
さてわたしはというと……、高校2年になると同時に転部したのでした、「映画研究部」に!