2010年11月16日火曜日

ある日の Mozart


今日は午前中のゼミがあり、(『100歳の少年』、評判 bon !)
夜はサントリー・ホールへ。
そうです、内田光子&クリーブランド管のコンサートです。

……実は数日前、近くの駅を通った時、駅構内のちょっとした空間で、
若い女性たちが Mozart を演奏している場面に遭遇しました。
それは駅ビルに入っている音楽教室の宣伝活動でしたが、
ヴァイオリンや鍵盤の音は、駅で聞くと小さな驚きがありますね。
演奏自体は、まあ軽いものだったし、
場所柄、マイクまで使っていました、が、
それはやっぱり、Mozart ではあるんです。
それはやっぱり、天才的な音楽だと感じられました。

そして今日、曲目はピアノ・コンツェルトの20&27 す。
これはね、演奏者と曲目を見ただけで、
明らかに80点はいく感じですが、
まさにそういう結果でした。
特にニ短調の20番は、曲としても最上の部類(と思います!)だし、
素晴らしかったです。
不安げな第一楽章も、天上的な第二楽章も、スリリングな第三楽章も。

この20&27番の協奏曲については、内田光子がCD を発表しています。
でもわたしは、わざと買いませんでした。
この2 曲は(たいていのクラシックファン同様)わたしも馴染みだし、
だからこそ、内田光子の解釈を、まずナマで体験したかったのです。
(わたしが特に馴染んでいるのは、ブレンデルやグルダです。)

今日の演奏は、ところどころ、ややゆっくり目のテンポであるように感じました。
それはチェリビダッケやアファナシェフのようにではありませんが、
それでも、音を確かめるように弾いている印象もありました。
決して、弾き飛ばすというのではなく。

それにしても、内田光子のピアノの音って、
こんなにきれいだったんですね。
なんというか、この世の音ではないみたいな気がする瞬間もあり……
どんなに高性能のスピーカーでも、
この音は再現できないでしょう。

というわけで、
1ファンに過ぎないわたしが、こんなことを言うのは気が引けるんですが、
でも学生諸君に言うつもりで言っちゃいましょう。
「クラシックに興味はあるけど、どこから始めていいかわからない」
とお困りのみなさんがもしいらしたら、
上に挙げたCD を推薦しちゃいます。
素晴らしい曲、新鮮な演奏。
ここで試聴できます;

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%83%88-%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC20%E7%95%AA-%E7%AC%AC27%E7%95%AA-%E5%86%85%E7%94%B0%E5%85%89%E5%AD%90/dp/B0041N98GY/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1289917872&sr=8-1

ただしこの試聴、大事な「出だし」はわざと聞かせてない模様。
出だしがいいんですよね、どの楽章も。

というわけで、楽しい一夜でした!