2018年10月27日土曜日

Bianco e nero


イタリア映画、

Bianco e nero (2008 『白と黒』)

を見る気になったのは、
ただ一点、
主演がアイサ・マイガだったからです。
しかもジャケ写は、まあまあいい感じ? だし。
で、がんばって探して、
英語字幕付きのDVDを見つけ、
やっと見ることができました。が……
いろんな点で、不満の残る映画でした。

https://www.youtube.com/watch?v=GKGy3AERaho

現代のローマ。
中心にいるのは2組の夫婦です。
まずは、カルロとエレナの白人カップル。
夫はPCなど電化製品の修理、
妻はNGOで、アフリカ支援に関わっています。
二人の間には、小さな女の子が一人います。
二組目は、ベルトランとナディーヌのセネガル系カップル。
ダカール出身の彼らは、
留学先のブリュッセルで知り合い、
今は子供二人とローマで暮らしています。
夫は、エレナと同じ組織にいて、
妻はセネガル大使館で働いています。
いわば、「白と白」、「黒と黒」のカップルですが、
白人の夫カルロと、
黒人の妻ナディーヌが、
恋に落ちます。
で……
それはそれぞれの配偶者の知るところとなり、
恋する二人は家から追い出されます。
(その間、なんと、
ベルトランとエレナも情事に落ちそうになります……)
そうして二人は、
互いの愛を確かめ、新たな人生に踏み出すかに見えるのですが、
周囲からの「白と黒」はうまくいくはずがない、
というプレッシャーもあり、
二人は、やっぱりどうしてもちがってる、と感じ、
それぞれ元の鞘に収まるのです。
ベルトランとエレナも、それを望んでいました。
で、こんなつまらないオチなのかと思っていたら、
ラストで、
たまたま公園で再会したカルロとナディーヌが、
やっぱり忘れられないと言って抱き合い、
それで終わるのです……

アフリカ支援のNGOで働く二人が、
パートナーの浮気を知った時、
その事実そのものよりむしろ、
相手が異人種だったことに強く反応するあたりは、
『招かれざる客』以来の、
イデオロギーというものの脆弱さの表現でもあるのでしょうが、
なんだか、今の時代とフィットしない気もします。
また、元の鞘に収まる辺りは、
なんともいえず気まずい感じ。
というのもそれが、
人種間の差異は乗り越えられない、
というメッセージになってしまっているからです。
そしてラストはと言えば、
もう、何がしたいのか分からない、という感じ……

というわけで、
いろいろイマイチな点はあるのですが、
その中でも一番ピンとこなかったのは、
そもそもナディーヌのような、
美しくて賢くて強い女性が、
カルロみたいな中途半端な男と恋に落ちることです。
この女性監督は、
こういうタイプが好きなのかもしれませんが、
まったく魅力がない。
となると、映画全体の説得力もないわけです。

アイサ・マイガはきれいでした。
彼女がイタリア語ができること、
初めて知りました。
(彼女が、夫や姉とフランス語で話す場面もありました。)

セネガルのネタが1つ増えたので、
それはまあよかったということにしましょう。