2022年2月17日木曜日

公聴会

というわけで、修士論文公聴会、
無事終了しました。
今年は4人が発表したんですが、
そこで扱われていた題材は;

・ベンヤミンと建築
・『北京的西瓜』(大林宣彦)と『書を捨てよ街へ出よう』(寺山修司)
・村上春樹と大江健三郎
・藤枝静男

でした。
これらを、それぞれに工夫された角度から切って見せてくれたわけです。
力作揃いで、よかったです。

それにしても、なんというか、
わたしたちの世代にとって、
懐かしい顔ぶれが揃った感があります。
(ベンヤミンだけは、「懐かしい」なんておこがましいですが。)
とりわけ『書を捨てよ街へでよう』は、
1971年の作品で、
当時わたしは中学生。
で、たまたま買った映画雑誌で、
この映画と、
『闇の中の魑魅魍魎』が特集されていて、
子ども心に「なんだかすごいな~」と思った記憶があります。
もちろん、
その時は雑誌で眺めただけで、
見てはいないんですが。

藤枝を始め、いわゆる私小説は、
学生時代かなり読みました。
(まあ、当時の文学部の学生は、みんなそうだったと思います。
藤枝が私小説作家かどうかはともかく。)
葛西善蔵、好きでした。
もちろん大江も読みました。
『われらの時代』には、かなりショックを受けたのを覚えています。
今はスレテしまったので、
あの頃のようには感じないんでしょうけど。

なんだか、ワカモノたちが、
彼らの時代、のものではなく、
わたしたちが馴染んできたものを研究しているのは、
不思議な感慨があります。

院生のみなさん、お疲れさまでした。