外国語であるフランス語で書いた小説、
『砂漠が街に入りこんだ日』(リトルモア)
を読んでみました。
薄い本なので、あっという間に読めます。
これは短編集で、全部で8作。
最初は「ルオエス」というタイトルなんですが、
これって……?
と思っていたら、解説によると、
これはソウル(Seoul)のアナグラムで、
となると言ってみれば、
ソウルに似た架空の街、くらいなのでしょう。
(が、読んでいると、
どことなくパリも感じさせるのですが……。)
この短編集全体もまた、
基本的に韓国時代の記憶に基づいているようです。
そしてこれらの作品群は、
これが実に「文学」なのでした。
フランス語で、
こんなふうに韓国のことが書かれたというのは、
それ自体画期的なんでしょう。
ただ、
これは完全に無い物ねだりなんですが、
わたしとしては、
パリやフランスを描いたものが読みたかったです。