というわけで見たのはこれ。
『スキャンダル』(2019)
公開時は、
カズ・ヒロの特殊メイクが話題になったのでしたね。
FOXニュースを舞台とした、
経営者ロジャーたちのセクハラと、
それを告発するに至る女性アナウンサーたちの物語です。
ロジャーとトランプが仲良しなのが、
現代的な装いをもたらしています。
見終わった時の印象は、
煮え切らない……
でした。
女性たちの訴えは認められ、
それなりの結果も出るのですが、
あくまでそれは「それなりの」であり、
なにか、革命的な変化ではまったくないのです。
それをリアルと呼べば呼べるのかもしれませんが、
この映画を作るなら、
そこが着地点じゃないようにも感じます。
そして物語に入っていきづらいのは、
基本、<FOX>的価値観に貫かれた世界の話だから。
登場人物はほぼ全員、保守系で共和党寄りなわけで……。
(もちろん、政治的立場の如何に関わらず、
セクハラを受けてもいいなんてことは、
1000%ありませんが。)
また、この手のアメリカ映画に「あるある」の、
機関銃のようなセリフ回しもやや気になりました。
まあ、それほど重要な内容を持ったセリフでもないのですが、
スピード感を出すためなのでしょう、
必要以上に速くて、
聞かせる気がないんじゃ? とさえ感じました。
アナウンサーたちを演じた3女優はみんな大物。
シャーリーズ・セロン、
ニコール・キッドマン、
マーゴット・ロビー。
マーゴット・ロビーはこの翌年、
ハーレイ・クインになるわけですね。
彼女らは、それぞれに存在感がありました。
(ただやっぱり、脚本そのものが弱い……)