2022年6月11日土曜日

『完璧な母親』

ネトフリのミニ・シリーズ、

『完璧な母親』(Une mère parfaite・2021)

が配信されので、見てみました。
舞台はパリとベルリン、
言語のほとんどはフランス語です。


主人公はエレーヌ。
彼女は、母親の支配から逃れるため、
若い頃にベルリンに移り、
今はそこで、医師の夫と、高校生の息子と暮らしています。
そしてこの夫婦には、20歳になる娘アニヤもいるのですが、
彼女は今、パリの大学に通っています。
いや、そういう風に、両親は思っていたのです。
そして、そのアニヤが、パリで殺人事件に巻き込まれたという連絡を受け、
エレーヌは急遽パリに向かいます。
実はアニヤにも、ベルリンを離れる理由があったのですが、
エレーヌはその事情を知りませんでした……

4話だけのミニ・シリーズで、
緊迫感はずっと持続します。
重い話ながら、エレーヌはキレイだし、
パリにいる彼女の EX. 
(トメル・シスレー。アラブ系ユダヤ人だそうです。)
も、なかなかカッコイイおじさんで、
二人の関係の変化が、
映画の雰囲気のバランスをうまく取っている感じ。
ただ、
この作品をドライブしているのは、
明らかにアニヤです。
彼女は、いわゆる
「信用できない語り手」で、
他の人物たちも、観客も、
彼女に振り回されます。
「信用できない語り手」が物語の中心にいると、
こんな感じでものがたりは歪むのねえ、という印象。
これは決してダメ出しをしてるんじゃなくて、
素直な感想です。

また、物語の構成としても、
通常ならあるはずの結末が省略されていて、
これも、そこまでの流れと見合っていると感じました。
なかなか考えられてドラマでした。