ランチを挟んで2本立てでいきました。
午前中に見たのが、
『白鯨』(1956)
です。
ジョン・スタージェス監督の作品の中では、
どうも「評価が低い」ものらしいのですが、
アダプテーションの観点からこの映画を取り上げている論文があったので、
見てみました。
でその後、みんなでその論文も読みました。
(『アメリカ文学と映画』所収)
映画内では、
あのヨナが鯨の体中で三日三晩過ごす物語が神父によって語られ、
主人公である偏執狂的船長エーハブは、
見た瞬間にリンカーンに似ていて、
船が白鯨を求めて向かうのはなんとビキニです。
(映画の公開は、第五福竜丸事件の2年後です。)
そしてこうしたかなりスパンの長い時間意識を背景に、
「白」い鯨と、「赤」い旗と、「黒」い肌の助手と、
ネイティブ・アメリカンの民族の名を持った船が登場する、
という指摘です。
おもしろい論文でした。
そして午後は打って変わって、
『キューティーブロンド』(2004)
です。
これは、映画そのものと言うより、
このヒット作がどこまでハリウッドの作劇セオリーに則っているか、
を確認するために見ました。
映画としてはとても浅いし、突っ込み処も満載ですが、
おとぎ話としてみれば、
やはり教科書通りの、
スムーズで明確な構成をなしていました。
職人技、ですね。
まだまだ勉強すべきことが多いです……