2022年7月8日金曜日

『ガガーリン』

日本でも春に公開されていた映画、

『ガガーリン』

を、アマプラで見てみました。


舞台は、パリの南東郊外に実在するガガーリン団地。
(Cité Gagarine)
映画は冒頭、この団地の竣工と入居の様子を映し出します。
そして、それから60年。
老朽化が進んだ団地は、取り壊しが決定します。
住民たちは、ためらいなく出ていく者、
立ち退きに抵抗しようとする者、さまざまです。
でも結局、
一家族、また一家族と去って行き、
残っているのはアフリカ系のユーリ(ガガーリンと同じ名前)だけ。
かつて彼の母親は、
子どもである彼を残し、
恋人のモトに走りました。
そして今、迎えに来るといっていたのですが……
ユーリは一人、誰もいないガガーリンに暮らし続けます……

とても評判がいいようで、
また題材もおもしろいし、
期待して見始めました。
ただ、こういう「詩的」な映画に、
最近はあまりうまく乗れません。
映像はキレイだし、
たしかに印象的なカットもあります。
ユーリと仲良くなる、ロマの少女も可愛らしい。
(これらの映画に出ていたリナ・クードリです。



ただ、なんというか、
「現実」が真綿でくるまれているような感じ。
麻薬の売人も出てくるのですが、
こんなにナイーブである可能性は低い気がします。
ロマのキャンプの取り壊しなど、
そうとう「現実」寄りのエピソードもあるのですが、
それでも、「現実」の手触りが伝わってこない気がします。

ある団地の誕生と死を見せるというのは、
アイディアとしてはとてもおもしろいと思います。が、
それにプラスするのに、
美しい映像だけでは、わたしには、
やや物足りないのでした。

蛇足ですが、この挿入歌、


この映画でも使われていました。


意識してる?