行ってきました、「ギロッポン」、メディア芸術祭。いやあ、なかなかのもんでした!
先日ここでも、受賞作品がみられるサイトを紹介しましたが、やはり受賞作品は強いインパクトがありました。メンデレヴィッチという、今年30歳になる青年の写真は、どこかミュエクを思わせる、かすかな違和感が独特でしたし、さらに若い田口行弘のビデオ作品は、床板が街を旅するのですが、とても面白い。もう釘付けでした。
そして、ちょっと衝撃に近いものを感じたのは、77年生まれのマルクス・キーソン(Markus Kison)の作品、touched echo です。画像をご覧になってください。この作品はもともと、ドレスデンの市街を見下ろす公園の手すりなのです。で、その手すりには、頭を抱えた人間のマークが何箇所か表示してあり、手すりに肘をつく感じでマークと同じ姿勢をとると……、聞こえてくるのです……、1945年2月、ドレスデンを壊滅させた時の戦闘機の音が、そしてその爆撃音が。そう、骨伝導を利用しているのだそうです。そして「頭を抱える」ポーズは、空爆を受けたドレスデン市民の姿勢そのものだというのです。
「メディア・アート」というと、技術を見せようと気負っている作品もありますが、これは違います。方法が、メッセージに従属しているわけでもありません。素晴らしい作品だと思います。
これら以外にも、渋谷の駅前交差点や新宿アルタ前を芝生にしてしまった写真や、ケータイを使う釣り、アニメ、マンガ、そしてテノリオンと、盛りだくさんです。会期が15日までで、なんだかやたら短いんですが、もし「ギロッポン」近くにおいでならば、ぜひ寄ることをお勧めします。入場無料です。(ちょい込んでます。)