2009年2月20日金曜日

メディア


今日はある集まりがあって、中野サンプラザに行ってきました。で、その集まりの終りに、ある先生を紹介していただいて、なんだか気があった(わたしだけ?)ので、まだ3時過ぎだったにもかかわらず、もう開いていた小さな飲み屋で日本酒を飲みました。

その先生は、もう70歳を越えていらして、今はある大学で宗教社会学を教えてらっしゃるそうです。が、むしろ彼の本領はジャーナリスム論、メディア論にあるように感じました。というのも、彼はもと大新聞社のワシントン特派員だったことがあるからです。

メディア、ってことば、よく耳にします(メディア芸術祭、とか!)が、いまいちピンと来ないですね? でも、彼の説明は明快で、かつ魅力的でした。ご紹介しますね。

「メディアってのは、もとはミディアム(medium)の複数形ですよね? で、メディアムっていうのはラテン語で、「中間の」ということ。ほら、肉の焼き加減も、中間くらいがミディアムでしょ? で、つまりそういうこと、「中間にあるもの」「間にあるもの」ってことよ」

「間? 何と何の?」

「まあ、送り手と受け手かな? たとえばテレビだったら、番組を作ってる人と、それを受け取ってる人の間にあるのは、電波、でしょ。だからそれが、メディア。まあ、それを大きく「テレビ」って言っちゃってるわけ。でもね、電波や紙ばかりがメディアじゃないのよ。

たとえば宗教革命以前の時代、神と大衆をの間にいたのは…… 神父。つまりこの場合は、神父が神の言葉を伝えるメディアだということになるの。当時聖書の写本はすごく高価(今の1000万円くらいかな。)で、庶民はとても買えなかったからね。で、その神父たちがテキトーなこと言ったりして、免罪符なんかもあって…… でとどめは、グーテンゲルグが発明した印刷術で、聖書が行き渡り始めるの。つまり、メディアが、神父から聖書(紙)に代わるわけね。

で、メディアが代わると、その内容も変わる。それは、今の時代も同じこと」

「本を書くときと、ネットに書き込む時では、内容が変わる?」

「That's right ! まあこのへんは、マクルーハンが言ってるけど」

なるほどね~。つまり、巫女さんは、あの世とこの世のメディアであり、予言者は、未来と現在のメディアなんですね。う~ん、面白いかも!

そして彼はまた、レーガンに単独インタヴューした時の様子なども話してくれました。いろんな人が、いろんなことやってきてるんですねえ。U先生、面白い話、ありがとうございました!