2009年3月28日土曜日

花輪とナフタリン


Guy Roppon は意外に近い、と最近は思っているので、国立新美術館に行くのはわりに気楽です。というわけで、今日もちょっと行ってきました。

今あそこでは、「ルーブル展」をやっているのですが、今日のお目当てはそちらではなく、「アーティスト・ファイル2009」です。実は今日は、「六本木アート云々」の一貫で、この展覧会タダなのでした。(ちょうど今朝の朝日新聞に、高階秀爾が詳しい紹介記事を書いています。)

いわゆる現代アーティスト9人の展覧。これがねえ、素晴らしいんです、どれもこれも。

中で一番印象に残ったのは、斎藤芽生という1973年生まれの女性作家でした。彼女の描くのは、たとえば「名も無き東京人のための花輪」シリーズです。これはそえぞれに、「池袋色悪」とか、「新宿人狼」とかの副題(?)がついています。それにしても、ほんとに花輪の絵なんです、葬式とか、開店祝いで見るような。

彼女は東京の団地育ちで、その集会所で行われる葬儀の時の花輪が記憶にあるようです。


このHPの「作品集」のところで、ちょっとだけサンプルが見られます。なんだか、技術もすごそうですが、その着想に驚きます。

もう一人、1974年生まれの宮永愛子にも、はっとさせられました。


なにしろ、古い家具と一緒に置かれた靴や帽子(画像)や歯ブラシは、ナフタリンでできてるんです。ナフタリンですよ! つまり…… この展覧会の会期中も、どんどん形が変わってゆくんです。そしてそれが古家具と並ぶことで、(高階秀爾の書いている通り)2つの時間が交錯するわけです。(それにしても、この匂い!)

ね、面白そうでしょ?(面白いです!)