2009年3月15日日曜日

RAP FRANÇAIS・1


昨日は、BOOK246で、ディジタル・コンテンツ系の連続トーク・セッションに参加してきました。今回のゲスト講師は陣野俊史さん。サッカー、文芸評論、そしてフランスのラップまで、守備範囲の広さと深さを兼ね備えた批評家です。

(陣野さんとは、かつて東工大で非常勤講師仲間でした。その時は、堀江さんが助教授でいらして、よくみんなでだべりました。というわけで、陣野さんと会うのは10年ぶりくらい?)

昨日のテーマは、一応「ラップ・フランセ」と言っていいのでしょう。最新のフランスでのラップの動向を紹介してくださって、わたしとしては、実に「おいしい」お話でした。なぜなら、陣野さんの話を受け売りするだけで、授業を1回成立させられるからです!

というわけで、ここでも陣野さんの話を紹介しようと思うのですが、今日から何回かに分けてお伝えしますね。(もったいないので!)

で、まず今日は、1980年、キプロス生まれ(フランス人の母とキプロス人の父)のDiam's(ディアムス)です。(画像・右)彼女は4歳で(母と二人で)フランスにやってくるのですが、詳しくはこちらのwikiで。


ところでみなさん、画像の左側の男性、見覚えありませんか? 実は12月18日付けのこのブログで紹介した、フランスのエミネムこと、Sinik です。Diam's と Sinik は同じ歳で、お互いのアルバムに協力し合っているようです。

(怒りの人 Sinik。陣野さんは、「韓国にSinik のようなアーティストがいないのは実に残念」と語る韓国経済人と対談しているそうです、今発売中の「週刊金曜日」で!)

さて、お待たせしました、Diam's(ダイアモンドからとった「芸名」だそうです。)の曲にいきましょう。一昨年のフランス大統領選挙の際、ロワイヤル女史の選挙運動のバックに使われていた曲だそうです。「わたしのフランス Ma France à moi」です。主人公のオジサンが、「古いフランス」なのでしょう。


歌詞はこちら。


「わたしのフランスは、サルコジに投票するような国じゃない……」

ちなみに彼女は、もっと「優しいラップ」も歌います。


Sinik やエミネムに通じる、繊細な雰囲気が伝わってきますね。(つづく)

               ❦

前回の「奇跡」、なんだかまったく「ありふれてない奇跡」を予感させる終わりでした。そして、赤ちゃんを預けて走り去る若い女の子の後ろで流れていたのは、リアーナの「アンブレラ」でしたね。(7月6日に、ここでも大特集したあの曲です。)でもなぜ「アンブレラ」? もしかして、伏線なのでしょうか??