2009年3月20日金曜日

妄言です


今日は午後から、地元のホールで、フレッシュ・コンサートを聞いてきました。クラリネット、ヴァイオリン、歌、の新人3人に、某国内オケが付くという形のコンサートです。

大学院生時代には、音楽を聞いている時間の90%はクラシックだったので、量だけはそこそこ聞いています。が、なにぶん完全に素人ファンなので、的外れなことを言いそうな気がしますが……

最初はコープランドのクラリネット協奏曲。これは…… わたしの勝手な思い込みでは、クラリネットという楽器には、たとえ一瞬でもいいから、影を見せて欲しいのです。たしかにこの曲には、あからさまな影は似合わないかもしれない。でも、音色そのものの中に、そういう兆しを感じ取りたいとわたしは思ってしまいます。今日の演奏には、それは見つけられませんでした。

2曲目は、ヴィニャフスキのヴァイオリン協奏曲。これはかなり拍手もありました。が…… これもほんとに個人的な感想ですが、こんなに若い(まだ20歳そこそこ)人が、なぜヴィニャフスキ? と思ってしまいました。なんといっても、大時代がかっていて、古めかしい曲だと思います。もちろん、古い作曲家でも、現代を感じさせるひとはいくらもいます。バッハでも、モーツァルトでも。でも、ヴィニャフスキって…… ただ、このヴァイオリニストは、素人目にも、技術が高いのは分かる気がしました。まあこの曲自体、「超絶技巧タイプ」らしいですから。古典的な美を追求するタイプの演奏家になるのでしょうか。

とまあ、素人のたわごとを並べてしまいましたが、思うに、これは今わたしが、クラシックを聴くモードにない、ということに過ぎないのかもしれません。(だとしたら、若い2人には申し訳ありません!)クレーメルのヴァイオリンや、アファナシェフのピアノに痺れた時代もあったのですが…… ただ彼らに痺れたのは、そこに紛れもない現代性があると思ったからではあるのですが。

で帰りには、宇多田の新刊『線』を買ってみました。実は例の『東京詩』に、宇多田の「東京 NIGHTS」を取り上げているので、もしもなにか関連事項が書いてあったら、最後のゲラに間に合わせようという魂胆なのでした!