2009年10月24日土曜日

「プールサイド小景」


今日は土曜日、ですが会議が2つあり、わが愛しの生田キャンパスへ。

生田と言えば、ほぼ反射的に思い出すのが庄野潤三です。彼は晩年、このあたりを舞台とした、どこまでフィクションなのか分からないような小説を書き継ぎました。リアルタイムに続けて読んでいると、あの娘さんのことも、あの動物たちの日々も、他人事ではなくなるから不思議です。(そういえば、金井美恵子姉妹の飼っていたタマの具合が悪くなった時も、それに近い感情が湧きました。)

とはいえ、わたしにとって1番印象深い庄野潤三の作品と言えば、「プールサイド小景」にとどめをさします。これはわたしが小学校6年の時に読んだ(というか読まされた)のですが、そのなんとも不思議な肌触りがとても新鮮でした。いや、新鮮というのとはちがうかな? むしろ、その文章の感触に戸惑った記憶があります。

「プールサイド小景」は、実は読んだだけではありません。コクヨの原稿用紙に、すべて写した(というか写させられた)のです。短編なので、そんなに時間はかかりませんでした。ただ、そこは小学生、知らない言葉が出てくるんですよね。でもそんな場合でも、ただただ写していったんだと思います。

庄野潤三は、1か月前くらいでしょうか、旅立ちました。生田は今日、3時頃から雨になりました。