昨日の金曜日は、
午前中に会議があり、
午後からは、
N君と二人で、前期最後のゼミでした。
見たのは、増村保造の『氾濫』という映画です。
佐分利信演じる成功した化学者と、
川崎敬三演じる駆け出しの化学者とが、
対比的に描かれます。
この映画は、伊藤整の同名小説が原作なのですが、
伊藤と言えば、わたしは、
高校の教科書に載っていた「青春について」が思い出されます。
そこでは、ボードレールの「敵」が引用されていました。
Ma jeunesse ne fut qu'un ténébreux orage,
Traversé çà et là par de brillants soleils;
Le tonnerre et la pluie ont fait un tel ravage,
Qu'il reste en mon jardin bien peu de fruits vermeils.
L'Ennemi (第一連)
わたしの青春は闇にとざされた嵐でしかなかった、
輝かしい太陽が、そこここに顔をのぞかせはしたが……
(traversé が男性単数なので、orage にかかるわけですね。)
高校生にとっては、
「青春」とは、
たしかにそうしたものだったので、
印象に残っています。
今読むと、どんな気がするんでしょうねえ?
(で調べたけれど、全集を見るしかなさそう……)