総合芸術系のガイダンスが中野キャンパスでありました。
去年はガイダンスができず、
授業も完全オンラインでしたから、
修士の2年生たちにとっても、
みんなで集まるのはこれが初めてです。
ガイダンスと言っても、
事務的なことは別の機会があるので、
ここでは、院生一人一人が、
自分の研究テーマを紹介し、
また教員たちの方も、
研究に対する心構えのようなことを話します。
で、この先生たちの「お話」が、
それぞれ味わい深いんです。
みんな、それぞれの研究分野と結びつけながら、
(ちょっと大げさに言いますが)
世界の現状についての考えを提示するわけです。
わたしは、
個人的記憶と集団的記憶について話そうかと思っていたんですが、
その場で院生たちを見ていて、
話の内容を少し変えました。
わたしが高校生だった頃、ヴェトナム戦争が終わった、
大学生の頃、サッチャーが首相になった、
それぞれについて、もっと深く考えなかったこと、
もっと深く想像をめぐらさなかったことを、
今になって悔やんでいる、
今目の前で起こっている出来事が、
数十年後、思いもよらない大きな意味を持ってくるかもしれない、
だから、よく目を開けて、耳を開いておくこと、
それが個人的記憶になり、
のちに、たとえば国家によって、
フィクショナルな集団的記憶がでっちあげられようとした時も、
それを阻む防波堤になりえるからだ……
今、ワールド映画の授業では、
サッチャー&レーガンの話は必出です。
ほんとに、
もっとちゃんと、
サッチャーたちのことを注視しておくべきでした。
がんばれ、院生たち!