2021年4月3日土曜日

新学期

というわけで昨日は、
総合芸術系のガイダンスが中野キャンパスでありました。
去年はガイダンスができず、
授業も完全オンラインでしたから、
修士の2年生たちにとっても、
みんなで集まるのはこれが初めてです。

ガイダンスと言っても、
事務的なことは別の機会があるので、
ここでは、院生一人一人が、
自分の研究テーマを紹介し、
また教員たちの方も、
研究に対する心構えのようなことを話します。

で、この先生たちの「お話」が、
それぞれ味わい深いんです。
みんな、それぞれの研究分野と結びつけながら、
(ちょっと大げさに言いますが)
世界の現状についての考えを提示するわけです。

わたしは、
個人的記憶と集団的記憶について話そうかと思っていたんですが、
その場で院生たちを見ていて、
話の内容を少し変えました。
わたしが高校生だった頃、ヴェトナム戦争が終わった、
大学生の頃、サッチャーが首相になった、
それぞれについて、もっと深く考えなかったこと、
もっと深く想像をめぐらさなかったことを、
今になって悔やんでいる、
今目の前で起こっている出来事が、
数十年後、思いもよらない大きな意味を持ってくるかもしれない、
だから、よく目を開けて、耳を開いておくこと、
それが個人的記憶になり、
のちに、たとえば国家によって、
フィクショナルな集団的記憶がでっちあげられようとした時も、
それを阻む防波堤になりえるからだ……

今、ワールド映画の授業では、
サッチャー&レーガンの話は必出です。
ほんとに、
もっとちゃんと、
サッチャーたちのことを注視しておくべきでした。

がんばれ、院生たち!