『イージー・マネー』というドラマを見ました。
これは、スウェーデンのストックホルムが舞台でした。
で今度は、北欧作品・第2弾として、
デンマークのコペンハーゲンを舞台にしたドラマ、
『孤独なファイター』
を見てみました。
邦題はなんだかベタですが、
原題も、「戦士」のようなので、
まあそんなには変わりません。
ただ、第1話の冒頭を見たときに流れてきたテーマ音楽が、
(これもぜんぜんヒネリとかはないんですが)
「影」を感じさせて、
つい見始めてしまったのでした。
主人公 CC は元軍人で、
戦地では、親友でもあった部下ピーターを失った過去があります。
しかもこれは、CC 自身が出した命令の結果でした。
もちろん悪いのは戦争なんですが、
彼は自責の念から逃れることができません。
幼い息子とともに残されたピーターの妻。
彼女は、コペンハーゲンの刑事であり、
ながくマフィアのボスを追っていますが、
なかなか捕まえられません。
そこで、思い切ってスパイを送り込むことにするんですが、
きわめて危険なこの仕事には、適任者がいません。
で彼女は、この仕事を CC に依頼するのです。
CC は、ピーターの妻の頼みなら、すべてを受け入れるからです。
こうして始まった潜入作戦は、
しかし予想以上に危険でした……
「ノワール」の定型通り、
この物語の冒頭には、「喪失」があります。
決して取り返すことのできない喪失。
たとえ作戦が成功しようとも、
何が起ころうとも、
この喪失は物語全体の「影」を作るわけです。
とりわけ素晴らしい、ということはないですし、
マフィアのマッチョぶりはやや戯画的でもありますが、
トータルとしては、
決して悪くはありませんでした。
そうそう、デンマークらしさということで言えば、
あるギャングの、こんな台詞が挙げられるでしょう。
「俺たちデンマーク人はたたき上げだ。
天然資源は乏しく恵まれてもいないが、
不屈の精神がある。
最先端の技術を発明して船で海を渡り、
グリーンランド、ノルウェー、イングランドを征服した。
それなのに今や自信を失い、その力は衰えた。
10万人の奴隷を船で運び繁栄したこの街は、
笑えない状況に陥ってる……」
無論ギャングの発言であり、
無駄にマッチョなのは明らかです。
でもまあ、デンマークのマッチョは、
こんなことを言うわけなんですね。