2021年12月27日月曜日

今年の3作(2)

というわけで、(2)です。
今度は、ちょっと狭い(?)ベスト3です。

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2021・女性刑事ドラマ、ベスト3

新しい時代の手触りは、女性刑事たちの造形の中にも見いだせるでしょう。凍てつくヘルシンキを生きる『Deadwind 刑事ソフィア・カルピ』。ポーランドが舞台の『泥の沼 97』のヒロインは、ロマの血をひくレスビアン刑事。『コラテラル』では、妊娠中のキップが、サウス・ロンドンの移民街を走ります。


Deadwind 刑事ソフィア・カルピ』:夫を亡くし、仕事に打ち込むことで生きのびようとするシングル・マザー、ソフィア。有能ながら、麻薬を縁を切れない若き同僚ヌルミ。氷が押し寄せる海岸で事件が起き、そこにはソフィアの娘の影が。ヘルシンキとタリン(エストニア)の繋がりもかなり新鮮。


『泥の沼‘97』:レスビアンで、母親とは疎遠で、ロマ語も話すウィテク。不敵な笑みを浮かべる彼女は、ワルシャワを追放され田舎の町へ。そして洪水の後、町外れの森で少年の遺体と不審な骨が見つかります。かつてドイツに占領され、その後ソ連軍に解放されたこの森の深い闇に、よそ者刑事が迫ります。

 

『コラテラル』:サウス・ロンドンで不法就労する移民たち。その一人が殺害され、妊娠中のキップが担当することに。この移民地区には、労働党の幹部も、移民女性と暮らす女性司祭もいます。そして第一容疑者は、シリアでの戦闘後、PTSDに苦しむ誠実な女性大尉。彼女が受けたむごいハラスメントとは……


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実は『ペーパー・ハウス』にも、
印象に残る女性刑事が二人出ていました。
どても好きな二人ですが、
ここでは、
明らかに主人公である女性刑事に限定しました。
もちろん、作品のデキも加味しています。

それにしても、
この「女性刑事」という映画的存在は、
一つの突破口になり得ると思っています。