実はわたしも、お2人の詩人にお目にかかるのは昨日が初めてでした(と思い込んでいて、実際会でもそういったのですが、後で伺ったところでは、清水さんとは1度お目にかかっているのだそうです、40年前に! その時わたしは小学生でした。)
お2人の話はとても魅力的で、しかも片言に濃淡があるというか、片言の裏側の眼が光るというか、さすがというほかないものでした。まずはお2人の「来歴」をたどりながら、その時々における「東京」との距離を測り、「東京」がいつどんな風にして対象化されてゆくのかをたどりました。
東京(中野)~山口~大阪~東京(あきる野)~京都~東京(中野、御徒町、三鷹……)という行程をたどった清水さんは、やはり山口体験や京都大学時代の経験が、東京を思考する上でかなり重要な意味合いを持っているようでした。特に、東京的人間関係の価値や、可能性の開き具合について。
東松山~鶴川周辺~阿佐ヶ谷~NY~東松山~高円寺周辺~池袋、という行程をたどった木坂さんの場合、阿佐ヶ谷にいたOL時代の勤め先である銀座体験が大きかったようです。昼の顔、夜の顔…… その銀座は、芸術系の学生としてギャラリーなどに通っていた時の銀座とは、あきらかに別のものだったというのです。なるほどねえ。
で、やがて話は「東京」に収斂し、未来の「東京」についての予感にまで広がっていくのでした……(となっているように願ったのですが。)
そして会の締めくくりには、お2人に朗読をしていただきました。(そのことを告げると、会場から、期せずして拍手が。もっとたくさん朗読していただくべきでした。すみません!)でもいいですね、朗読って。
わたしはといえば、あいまいな司会をしながらも、お二人の話を堪能しました。実は司会について不安もあったのですが、お2人がとても上手にお話ししてくださるので、とてもとても助けられて、なんとか90分持ちこたえました。お二人に、そして90分お付き合いくださったみなさまにももう1度、merci mille fois !
というわけで、深く記憶に残る、いい夜でした。
*画像は、清水さんも木坂さんも「いい」とおっしゃっていた、エドワード・ホッパー、Nighthawks。