スタジオを使える時間が、いつもより少しだけ短かったのですが、結局、ふだんと同じ量の収録をすることができました。(といって、ふだんダラダラやってるわけじゃありません、たぶん!)
で夕方からは、銀座に行って、読売文学賞の授賞式に参列しました。「ナマ姿」を初めて拝する作家たちもいらして、ミーハー的にドキドキ。中でも個人的には、池澤夏樹さんと(ほんの少しですが)初めてお話ができ、ビビりました! また、かつて『郊外の文学史』で拙文にも触れてくださった川本三郎さんとも、初めてお話しでき、嬉しかったです。お二人とも、とてもやさしいのでした。
受賞者挨拶の中で「ああ」と思ったのは、丸谷才一さん。丸谷さんは今回、『若い藝術家の肖像』(ジョイス)で翻訳賞を受けていらっしゃるのですが……
「翻訳の花形はなんといっても現代小説。しかしこの分野は、なかなか光が当たらない。河島英昭 さんや若島正さんや越川芳明さんを差しおいて、自分がこの賞をもらうのは申し訳なく……、でも嬉しい!」
丸谷さんの作品もけっこう読みましたが、わたしは『笹まくら』が記憶に残っています。「徴兵忌避者」が主人公なのでした。あと短篇では「横しぐれ」。これもよかったですねえ。
ほかにも、黒井千次さん、大江健三郎さん、高村薫さん、平出隆さんなど、まあ豪華な顔ぶれ。そしてわれらが堀江敏幸さんはといえば、3重4重にファンに取り囲まれ、なかなか近づけませんでした! 堀江さんをはじめ受賞者のみなさま、改めて、受賞おめでとうございました!