2011年11月6日日曜日
Plan de Turgot
まったく、あんまり迂闊でお恥ずかしいのですが、
今日、もう買って10年以上は経つ古本を読んで、
その面白さに目を見張りました。
『パリ史の裏通り』 堀井敏夫 白水社
です。
わたしが読んだのは古本ですが、
今は「Uブックス」に入っているようです。
(ちなみに読んだのは1987年版なんですが、活版印刷です。)
この頃わたしは、これもまた遅ればせなんですが、
パリの城壁に興味があって、いくつか読んでみました。
『パリ史の裏通り』の中の「城塞物語」は、
長くはない歴史エッセイなんですが、
その読みやすさと説明の丁寧さは、
初心者のわたしにとてもありがたいものでした。
図版も適切で、助かります。
ところで、この本の中で、「とても貴重な地図」として紹介されている、
「テュルゴの地図」というものがあります。
1734年と言いますから、革命前に作られた「地図の名作」だそうです。
その地図が!
http://www.linternaute.com/sortir/sorties/exposition/paris-turgot/plan-de-turgot.shtml
ポン・ヌフをご覧いただくと分かる通り、
東西は逆向きになっています。
見ていて、わたしが1番おもしろかったのは、
グラン・ブールヴァールです。
(バスチーユから共和国広場を通って、サン・ドニ門のあたりを過ぎ、
ボンヌ・ヌーヴェルを経て、リシュリュー・ドゥルオからオペラ前を目指し、
マドレーヌ広場に至る、11のブールヴァールのことです。)
このグラン・ブールヴァールは、CharlesⅤの城壁と、
LouisⅩⅢの城壁を壊した跡地(右岸のみ)に作られた通りで、
完成は1705年でした。
たいていのところでは、片側2列ずつの計4列の並木があったというのですが、
なるほど、ほんとにそうなっています!
ちょっと感動しました。
まったく、10年前には考えられなかった研究環境になっています。
グラン・ブールヴァールに関連する記憶なら、
これは無数にあるでしょう。
演劇、映画、小説、歴史、そして個人的にも。
ですよね?
ところでこの本、あとがきを読むと、
担当編集者はなんと及川さん。
『フラ語入門』の改訂版などでとてもお世話になった大御所です。
(なんだか、申し訳ありません!)
先日も、同僚の倉石さんや清水さんとしゃべっていたときも、
2人は異口同音に、
「やっぱ欲しいのは古本だよね~」
と言っていました。
そういうことって、ありますね。
(新刊も好きですけど!)