2013年10月21日月曜日

『預言者』

月曜日、
今日見たのは、

『預言者』

です。

http://www.youtube.com/watch?v=MNVLVRfloLQ

日本では2012年に公開され、
それなりに話題になったようです。

フィルム・ノワール、ということになるのでしょうが、
ほぼ全編刑務所内の出来事であることが、
まず最初のユニークな点。
主人公マリクは19歳のアラブ系、
そして彼が入った刑務所では、
所内を牛耳るコルシカ系と、
アラブ系が対立しています。
このコルシカ系グループの存在もまた、新鮮でした。
そしてマリクの仲間となり、麻薬を売りさばくのは、ロマです。
(フィルム・ノワールでロマと言えば、
http://tomo-524.blogspot.jp/2013/06/les-lyonnais.html
です。)
そして最後、
6年の刑を終えて出所したマリクを迎えたのは、
彼の(死んだ)仲間の妻(レイラ・ベクティ)とこども、
そして今や「組織」にまでなった彼の手下たち……。

なにしろ刑務所内なので、
やや風通しは悪いですが、
見ごたえは十分だといえるでしょう。
長さ(150分)は気になりませんでした。
ただわたしにはもう一つ、
マリクの「哲学」がクリアにならなかったのですが、
制作側は、もともとそういうつもりなのかもしれません。
「哲学」ではなく、「臨機応変」なのだと。
ただそこが、フィルム・ノワールとして、
やや「ピンが甘い」気もしました。
エンディングに流れるMack the Knife も、
わたしには「?」な感じでした。