今日は気分を変えて、日本映画を見てみました。
成瀬巳喜男の代表作と言われている
『浮雲』
です。
わたしは初めて見ます。
これを選んだ理由は1つ。
主人公たちが、フランス領インドシナ帰りだ、ということです。
そこに、日本軍も展開していたわけですね。
話は、とてつもなく女にだらしない男がいて、
日本に奥さんがいるのに、
仏印で若い高峰秀子と関係を持ち、
引き揚げたら妻と別れるから一緒になろう、と言いつつ、
いざ終戦になって引き揚げてみれば、
妻とは別れられない、という宣言。
でも、なんだかんだでよりを戻し、
今度は一緒に出かけた伊香保温泉で、
男はまた女(岡田茉利子)をつくり、
高峰を捨てて岡田と暮らし始めます。
でも、東京まで追いかけてきた岡田の夫が、彼女を刺殺。
で、また男と高峰はくっつきます。
でまた別れ、奥さんが死に、またくっつき……
ふつうなら、だからなんだ、と言いたくなるような映画なのですが、
たしかに作品としての魅力は相当あります。
戦後の街並み、女優二人の美貌、丁寧に作られたセット。
でも個人的には、その「男」を演じた森雅之(有島武郎の息子)が、
あまり魅力的に感じられませんでした。
もちろん、時代が違うわけですが、それにしても。
やっぱり、映画は時代を映しますね。