2020年12月19日土曜日

『レ・ミゼラブル』

Hugo ではなく、Ladj Ly の

『レ・ミゼラブル』

Amazon Prime に登場したので、
また見てみました。

舞台は、パリ郊外のモンフェルメイユ、
つまりHugo の同名小説の舞台の地、
ということになっていますが、
Google Earth で近くを探したところ、
舞台となっている団地は、
クリシー=スー=ボワにありました。
そう、あの2005年の暴動のあった場所です。
(で、映画内でも、その暴動への言及があります。)
また、これは字幕には訳されていませんでしたが、
主人公のステファンの元妻は、
ボビニーに転勤になったと。
(ボビニーについては、
ここでもう何度も触れました。
そしてボビニーとクリシー=スー=ボワの間に、
『最強のふたり』のドリスの実家がある、
ボンディがあるわけです。
93、ですね。

やっぱり、緊迫感があっていい映画でした。
「点」が5つあって、
それはBAC(警察)、
「市長」と呼ばれる元締め、
「ハイエナ」と呼ばれる(BACと手を結んでいる)マフィアのボス、
サーカスを経営する「ロマ」、
イスラム急進派のリーダー、サラー、です。
そして真の主役である子どもたちは、
彼らすべてから抑圧される存在なわけです。
多くの映画において、
郊外の少年たちを抑圧するのは「社会」なのですが、
その「社会」の実態の描き方が、
この映画は独特なのです。
そしてもちろん、それが美質なのです。

映画のラストには、この引用;

Mes amis, retenez bien ceci,
il n'y a ni mauvaises herbes, ni mauvais hommes.
Il n'y a que de mauvais cultivateurs.

Victor Hugo, Les Misérables

こういう映画を見ると、
やっぱり、「パリ」が気になってきます。