2021年2月13日土曜日

『カミーユ』

MFFFの中で、一番気になっていた作品、

『カミーユ』

をやっと見ました。
よかったです。


実話に基づいています。

舞台は中央アフリカ、
時は内戦時の2013年前後。
若いヨーロッパ系フランス人であるカミーユ・ルパージュは、
子どもの頃からの夢を追って、
中央アフリカに向かいます。
当時彼の地では、キリスト教系の「反バラカ」と、
イスラム系の「セレカ」が対立し、
殺戮の応酬が続いていました。
その現実を取材し、
報道写真家としてデビューしようと考えたわけです。
紆余曲折合ったものの、
ちょうど、フランス軍の介入の時期と重なり、
フランスでのニュース需要が高まったため、
彼女の写真は有名雑誌に掲載されることに。
彼女の夢は(一応)叶いました。
が……
繰り返されるむごたらしい殺人を目の前にして、
彼女は自分の仕事の意味を疑い始めます。
いわゆる人気報道写真家は、
需要の波が引いた中央アフリカを離れ、
ウクライナなど、
取材要請のある土地に向かいますが、
彼女にはそれもできません。
中央アフリカが、どうしても気になるのです……

ある夜の場面が印象的でした。
それは、男たちと同行し、
戦闘に疲れて帰ってきたカミーユに対して、
女性たちは、たらいにお湯を汲んで、
体を洗ったら?
と言う場面です。
言葉は通じないのです。
でも、女性たちは微笑んで、
カミーユの髪も洗ってあげるのです。
カミーユも彼女らに気持ちを預けています。
これが、転機になります。

ラスト近く、
中央アフリカで彼女と行動を共にしていた人たちを指して、
彼女は言います、
mes frères humains
と。