2021年2月14日日曜日

Filles de joie


終わりが明日に迫ったMFFF、
慌てて見たのが、

Filles de joie(2020)


なんとなく思っていたのとは違っていましたが、
これはこれでおもしろかったです。
ただこのおもしろさは、
作品の示す新しさ、というよりも、
俳優たちの魅力に負うところが多かったように思います。
また、先に言ってしまうと、
この映画の舞台が(おそらくは)北フランスのRoubaix で、
となれば当然この映画、


との繋がりが生まれてきて、
なんとサラ・フォレスティエはこれら両方に出ていて、
これは意図的な選択だったんだろうと感じました。
確証はありませんが。

(Filles de joie の舞台が Roubaix だと判断したのは、
ドミニクという女性のスマホの待ち受け画面の上部に、
おそらくは現在地を示すだろう Roubaix という表示が、
チラ見できたからです。
あとはもちろん、ベルギー国境が近いし。)

主役は3人の女性たち。
まずアクセル(サラ・フォレスティエ)は、
離婚訴訟中で、幼い3人の子どもたちと、
彼女の母親との5人暮らし。
裕福とは言えないものの、
彼女は一人で、一家の団地暮らしを支えています。
ウザイのは口出ししてくる元夫だけです。
2人目のコンソ(アナベル・ラングロンヌ←注目!)は、
モデルのように長身の若いアフリカ系女性で、
アクセルの隣で一人暮らし。
ただ職安では、
BACもなくてキャリアもないなら、
どんな仕事でも受け入れないとね、お掃除でも、
と言われ、わたしには夢がある、
と言って席を蹴ります。
最後は最年長のドミニク(ノエミ・ルヴォヴスキ)は、
看護師として働きながら、
夫、息子、娘、の生活を支えています。
でも、反抗期の娘ゾエとも、
それ以外の二人とも、
うまく心的なつながりを保てていません。
そして……
この3人は、別の顔も持っているのです。
彼女らは、朝、クルマに乗って国境を越え、
仕事場に向かいます。
それは、なかなか立派な売春宿です。

それぞれに問題を抱えた女性3人が、
同じ職業的選択をし、
深い連帯が生まれてゆきます。
たとえ彼女らに降りかかる困難が既視感のあるものであるとしても、
3人の連帯は本物です。
その意味ではもちろん、
これは女性の友情の映画にちがいありません。
そしてそれが、
Roubaix という記号と結びついているわけです。

ギリでしたが、
見ておいてよかったです。