2021年2月14日日曜日

『ファミリー ~兄弟の歩む道』

2017年のドイツ映画、

『ファミリー ~兄弟の歩む道』

をネトフリで見てみました。
よかったです。


ベルリンの移民地区。
そこに、トルコ系の3兄弟が暮らしています。
長兄は5年の刑期を終えたばかりで、
次兄はダウン症で肥満気味、
末弟は借金まみれのギャンブラー、です。
映画の中では、麻薬がらみの犯罪や、銃撃などもあるのですが、
全体としては、ウォームな雰囲気が感じられます。
それは、白黒の画面のせいもあるでしょうし、
この3兄弟の部屋に転がり込んだ女性のせいもあるでしょうが、
やはりなんといっても、
無邪気な次兄と、
なんとしても彼を守ろうとする兄弟二人の愛情が、
映画の底流に流れているからなんでしょう。

この映画のレヴューを見てみたら、
スコセッシの『ミーン・ストリート』(1973)や、
カソヴィッツの『憎しみ』(1995)と比較しているものがありました。
前者は見てないのですが、
後者とは、たしかに比較できるかもしれません。
なんといっても白黒だし、
周縁化されている移民系の若者が主人公だし、
大都市が舞台だし。

そして!
わたしにとって新鮮だったのは、音楽です。
おなじみ Rachid Taha の大ヒット曲、Ya Rayah が流れるのです。
これです。


この曲は、
この映画の中でも重要な位置にありました。


考えてみれば、Rachid Taha はアラビア語で歌う人気歌手ですから、
フランス映画にもそれ以外の映画にも出てきて、当然なのですが、
「アラブ文化」という文脈で、
ベルリン郊外とパリ郊外が結びつき、
それはとても新鮮なものでした。

どんな作品があるかなあ、
とネトフリ内をぶらぶらしていて、
予備知識もなく「これいいかも」と見始めたのですが、
なかなかいい作品に当たりました。