2021年2月15日月曜日

『フェリチタ!』

MFFF のラスト
(といっても未見の作品も残ってしまいましたが)
はコレを見ました。

『フェリチタ!』(2019)

この映画も、
主役の3人がいい感じで、
見ている間は楽しかったです。


ティモテとクロエ、
この「刹那的」という語がぴったりの夫婦は、
その分楽し気で、愉快でさえあります。
(もちろん、未熟でもあるわけですが。)
そして二人には、娘のトミーがいます。
彼女はイヤーパフを愛用していて、
両親の喧嘩など、
聞きたくないものを聞かないために、
そのパフを使うのです。
そしてこの3人の日々は、
ある種のロード・ムーヴィーとして描出されます。

大昔のことですが、
「俺たちの旅」というドラマがあり、
高校生だったわたしたちは、
まあ欠かさず見ていたものでした。
中村雅俊扮する大学生が、
これがまた絵にかいたような「刹那的」な人間であり、
彼を取り巻く「まともな」友人や先輩は、
彼にあきれながら、でも、
彼の生き方への憧れを捨てられないのです。
高校生にとっては、
この「幅」、ないし2つの生き方の往還のようなものが、
微妙にリアルに感じられていたわけです。

ただ、「刹那的」という語彙は、
親しかった(と言っていいのか)国語の先生からの借用です。
わたしたちが熱心に見ていたので、
彼もある時見てくれたようで、
その後、この「刹那的」という語彙を使って、
彼なりの解釈をしてくれたのでした。
なるほどね、と思いました。

……と、そんなことを思い出させる映画だったわけです、今回は。
なにか素晴らしく新しいものはありませんでしたが、
佳作にはなっていたんじゃないでしょうか。