(といっても未見の作品も残ってしまいましたが)
はコレを見ました。
『フェリチタ!』(2019)
この映画も、
主役の3人がいい感じで、
見ている間は楽しかったです。
ティモテとクロエ、
この「刹那的」という語がぴったりの夫婦は、
その分楽し気で、愉快でさえあります。
(もちろん、未熟でもあるわけですが。)
そして二人には、娘のトミーがいます。
彼女はイヤーパフを愛用していて、
両親の喧嘩など、
聞きたくないものを聞かないために、
そのパフを使うのです。
そしてこの3人の日々は、
ある種のロード・ムーヴィーとして描出されます。
大昔のことですが、
「俺たちの旅」というドラマがあり、
高校生だったわたしたちは、
まあ欠かさず見ていたものでした。
中村雅俊扮する大学生が、
これがまた絵にかいたような「刹那的」な人間であり、
彼を取り巻く「まともな」友人や先輩は、
彼にあきれながら、でも、
彼の生き方への憧れを捨てられないのです。
高校生にとっては、
この「幅」、ないし2つの生き方の往還のようなものが、
微妙にリアルに感じられていたわけです。
ただ、「刹那的」という語彙は、
親しかった(と言っていいのか)国語の先生からの借用です。
わたしたちが熱心に見ていたので、
彼もある時見てくれたようで、
その後、この「刹那的」という語彙を使って、
彼なりの解釈をしてくれたのでした。
なるほどね、と思いました。
……と、そんなことを思い出させる映画だったわけです、今回は。
なにか素晴らしく新しいものはありませんでしたが、
佳作にはなっていたんじゃないでしょうか。