先日見た『オーバーフェンス』とともに、
いわゆる「函館3部作」の1本、
『そこのみにて光り輝く』(2014)
を見てみました。
これ、構造は『オーバーフェンス』とよく似ています。
つまり、
壊れた女と壊した男、
の恋愛です。
そしてこの二人の周囲には、
さまざまな顔ぶれが配されています。
よくできてるし、
たしかにいいショットもあると思います。
ただ、特に後半が、
ちょっと失速した感がありました。
2時間の作品ですが、
あと20分くらいは短くてもいいような気も。
いいショットがある分、
意味ではなく、ショットを見せたいんだろうな、
と感じられる部分が目に付き、
そこでの時間が長すぎると感じられたわけです。
菅田将暉はとてもよかった。
『ああ、荒野』もよかったですが、違う意味でよかったです。
池脇千鶴もよかったんですが、
彼女に対する演出が、
その着せられている衣装も含めて、
性的存在であることの指示が強すぎるかもと感じました。
(セックス・シーンも長すぎるし。)
で、主役が、いまひとつピンと来ませんでした。
なぜこの俳優を選んだのか?
わたしには、魅力が感じられませんでした。
ただ、この映画は函館の話なんですが、
ある普遍性を感じたのも事実です。
どんな国の、どんな地域にも、
こういう物語が潜んでいるという感じはしました。
その意味では、成功作なんだろうと思います。