2022年12月30日金曜日

『そこのみにて光り輝く』

原作小説について、
先日見た『オーバーフェンス』とともに、
いわゆる「函館3部作」の1本、

『そこのみにて光り輝く』(2014)

を見てみました。


これ、構造は『オーバーフェンス』とよく似ています。
つまり、
壊れた女と壊した男、
の恋愛です。
そしてこの二人の周囲には、
さまざまな顔ぶれが配されています。

よくできてるし、
たしかにいいショットもあると思います。
ただ、特に後半が、
ちょっと失速した感がありました。
2時間の作品ですが、
あと20分くらいは短くてもいいような気も。
いいショットがある分、
意味ではなく、ショットを見せたいんだろうな、
と感じられる部分が目に付き、
そこでの時間が長すぎると感じられたわけです。

菅田将暉はとてもよかった。
『ああ、荒野』もよかったですが、違う意味でよかったです。


池脇千鶴もよかったんですが、
彼女に対する演出が、
その着せられている衣装も含めて、
性的存在であることの指示が強すぎるかもと感じました。
(セックス・シーンも長すぎるし。)
で、主役が、いまひとつピンと来ませんでした。
なぜこの俳優を選んだのか?
わたしには、魅力が感じられませんでした。

ただ、この映画は函館の話なんですが、
ある普遍性を感じたのも事実です。
どんな国の、どんな地域にも、
こういう物語が潜んでいるという感じはしました。
その意味では、成功作なんだろうと思います。