2022年12月31日土曜日

『海炭市叙景』

佐藤の小説を原作とした、
いわゆる「函館3部作」。
順に

『海炭市叙景』
『そこのみにて光り輝く』
『オーバー・フェンス』

の3本です。
2作見たので、3本目も見ることにしました。
(順番的には、3,2,1の順で見たことになります。)
で、今回見たのは、

『海炭市叙景』


3作の中では、
いわゆるストーリー的には、一番ゆるく作られていますが、
もともと「叙景」とあるので、
むしろ当然と感じられました。
わたしはこういう感じ好きです。
(小説の場合の、
断章形式まではいかないんですが。)
そして多くの登場人物たちの中には、
例の、
壊す男と壊れた女、
も登場します。
ただここでは、男も女も、
それについての自覚が(おそらく)ない。
そこが、他2作と決定的に違うと感じました。
つまりこの作品の人物たちは、
自意識が低めというか。
そこもわたしは好きでした。

また、父親と息子、という組み合わせが、
少なくとも4組、登場します。
(父親であり、子でもある人物も1人います。
それが壊す男です。)
そして、なんということでしょう、
どの父子もうまくいっていません。

(『そこのみにて~』にも登場した場所は、
すでにこの映画で撮られていました。
螺旋状の階段。
大きな電光の広告。)

そしてこの映画では、
汽笛の音も良かった。
(まったく調べてませんが、
汽笛がよかったというコメントは、
多分とても多いのだろうと想像しています。)
わたしたちなどは、
つい『ペペ・ル・モコ』のラストを思い出してしまいますが。

というわけでわたしは、
3作の中ではこれが一番好きでした。

(小林薫、『ふぞろいの林檎たち』から、
ほとんど変わらないなあ、
と思いました。)