2010年10月19日火曜日

出張授業


今日は午前中にいつものゼミを2つやったあと、
あわてて電車に乗り、
同じ明治大学の駿河台校舎(お茶の水)に行きました。
というのも、同僚の管さんが、
情報コミュニケーション学部の「比較文学」の授業で、
ゲストスピーカーとして話すことになっており、
まあついでにわたしも話してもいいよ、ということになったからです。

駿河台の校舎で授業をするのは初めてでしたが、
今日の70人ほどの学生たちは、物珍しかったのか、
とてもよく聞いてくれていた感があります。
全体テーマは「翻訳」なのですが、
管さんが考えてきてくれた献立は;

1)われわれは世界を言語によって了解している、
  でも言語は非常に限られた有効性しか持たない。
2)われわれあの大部分はコトバの中で生きている、
  でもコトバは決して単数ではない。
  →オムニフォン、という考え方
3)ひとつのコトバは翻訳によって世界に目覚めてゆく。
  →コトバの姿を変え育ててゆく作業としての翻訳

う~ん、深い話です。
こうしたテーマに興味が湧くようでしたら、ぜひ管さんの本を。
特に「オムニフォン」については、
『オムニフォン』があります。
集中して読めば、必ず鱗が何枚も落ちます。

この授業の本来の担当は、
パウル・ツェランがご専門の関口先生です。
ツェランも、なかなか難解ですが、
これは本当に、いつかゆっくり読みたい詩人の一人です。
彼はユダヤ人として強制収容所を経験し、
最後はパリで暮らしました。
関口先生の本はこちら;

http://www.ikubundo.com/book/b51280.html

引き込まれます。