2011年10月23日日曜日
『ペレ、ハワイの神話』
なんとか体調も戻ってきて、
楽しみにしていたイベント、『ペレ、ハワイの神話』に行ってきました。
渋谷のサラヴァ東京です。
開始20分ほど前に着いたのですが、列が店の外まで!
店内も、開始前から熱気が満ちています。
そしていよいよ開幕、の前に……
今日の<主役>は、ハワイの女神ペレなのですが、
彼女の話をするときの恒例(なんだそうです)として、
会場のみんなで短い祈りの言葉を唱えます。
さ、これで安心して始められます。
まず第1部は、「ペレの髪、島の風」です。
これは、管さんのテキストに、Ayuoの曲が有機的に絡んでいく構成です。
そしていくつかの詩行には、Ayuo作曲による旋律がつき、
これを管さんがソロで、
あるいは弦楽担当の4人とパーカッション担当の1人とコーラスで、
歌ってゆきます。
そのメロディーは、なんと言えばいいんでしょう、
まさに神話的な、とでも言うしかないものです。
なんだか、贅沢……
詩の言葉はどれも魅力があり、
「新しく死ぬために」
「ピコのためのプカ」
「光のへそ、島のへそ」
「波と波のあいだへ」
など、タイトルを見ただけでも惹かれます。
この島で生まれたんだ
溶岩の島で
かあさんはへその緒を
小さな穴に埋めた
それがピコのためのプカ
その岩山には、16000もの、
「ピコ(へその緒)のためのプカ(穴)」があり……
そして
波と波のあいだに未知への通路が見える
それは視覚的・聴覚的・嗅覚的経験のいずれでもない
魚群が一斉に方向を変えるときのようなそんな直観が
総合的にきみに次の線を教えるのだ
で第2部は、「ペレ、ハワイの神話」。
これは一つの、言ってみれば宇宙のような、
言葉と音楽と肉体による物語です。
中心になるのは、「卵だったころからペレが温めて育てた」末の妹、ヒイアカと、
彼女が遠く迎えに行くことになるロアヒウとの、恋です。
Ayuoがロアヒウを、ヒイアカは美しいダンサーが演じました。
この物語の「隠し味」として効いていたのは、
Ayuo 編曲による「トリスタンとイゾルデ序曲」だったかもしれません。
無調的なAyuo の音楽の中に挿入されたこの曲は、
(「アンダルシアの犬」の記憶を呼び覚ましながら)
普遍へと繋がる輪郭を感じさせるものだった気がします。
それにしても……
こんなパフォーマンスができるんですね、
たった7人で!
とても広がりのある豊かな世界を、
潔癖に、美しく見せてもらいました。
ありがとうございました!