アイサ・マイガ主演の、
Quand la ville mord
を見てみました。
https://www.youtube.com/watch?v=3_mJPPxKEoI
原作は、Suite Noire という叢書(セリ・ノワールの弟という位置)
の内の一冊で、
映画のほうは、
この叢書から何冊かがテレビ映画化されたときの内の1本です。
コートジヴォワール人で、
マリのバマコから到着した若い女性二人、
サラといとこのジーナ。
サラは、バルベスで仕事をしながら、
画家になる夢を持っています。が、
2人が連れていかれたのは、
モントルイユの酒場。
そこで、パスポートを取り上げられ、
娼婦にさせられてしまいます。
そして3か月後、
すっかりヤク漬けになったジーナは、
親玉のオマールに殴り殺され、
それを知ったサラは、なんと復讐を誓い、
実際、オマールを殺してしまいます。
で、組織に追われる身となったサラは、
今度はほんとにバルベスに行き、
叔父を頼りますが、
パスポートなしでできるのはやはり娼婦だけ。
ただ、絵を通じて知り合った友達もできますが、
なかなかその世界には入ってゆけません。
そうこうするうち追手が現れ、
ただしまた今度も、半ば幸運から、
追っ手を殺してしまいます。
そしてさらに、自らアジトに乗り込み、
ワルたちをやっつけます……
この物語は、いわば新移民を食い物にする旧移民、
という構図です。
問題は、人種の対立ではなく、
同じアフリカ系の、新旧の間の搾取です。
こういう問題も、当然あるわけですね。
アイサ・マイガはきれいで、たくましく、
よかったです。
映画もまあ、おもしろいのですが、
1時間という短さなので、
説明不足も感じました。
印象的だったのは、
ヒロインがバスキアに憧れていたこと。
「彼はアフリカ人じゃない。
お母さんはプエルトリコ、
お父さんはハイチ出身でしょ?」
と友達に言われても、
そんなの関係ない、同じなの、
と答えます。
バスキアって、アフリカ系の画家志望のワカモノからは、
そんな風に見えることもあるんですね。
原作を読んでみようと思いました。