2018年11月18日日曜日

「古い悪魔」

このところ世界を取り巻いている風潮が、
1930年代のそれに似ている、というのは、
少し前から指摘されてきたことではあります。
WW Ⅰ の後、世界恐慌を経て、
ナチが台頭する時代、ですね。
(日本で言えば、15年戦争が始まるわけです。)

先日パリで開かれた、WW Ⅰ の休戦記念式典で、
マクロン大統領もその旨の発言をしました。
暴走するナショナリズムという「古い悪魔 démons anciens」が、
再び現れていると言うのです。

http://www.lefigaro.fr/politique/le-scan/citations/2018/11/11/25002-20181111ARTFIG00055-macron-les-demons-anciens-ressurgissent-cent-ans-apres-la-fin-de-la-grande-guerre.php

これは、誰が見たって、
トランプ大統領の態度を批判している、
ということになるのでしょう。

で……

今朝、たまたまテレビをつけたら、
ちょうどこの話題を扱っていて、
それに対して姜尚中氏が、
――ナショナリズムの興隆の背景にあるのは何か、
それに対する考察がなければ、
いかなる嘆きも表面的だ。
そこにあるのは、グローバリズムの暴走なのだ。
マクロン氏が、自身がグローバリストであることを棚に上げて、
こんな発言をしても……
という内容のことを話されていました。
(言葉遣いはこの通りではありません。)

そうなんですよね。
マクロンは、文化左翼ですが経済右翼であり、
だから彼の発言は、
時に、どうしようもない矛盾を孕むことになります。

マクロンの言う「きれいごと」は、
とても重要な「きれいごと」なので、
彼が目立つ場所でこれを言うことは、
一定の価値があると思いますが、
同時に、
姜尚中氏のような指摘も、
忘れず付け加えたいところです。