2021年1月8日金曜日

『テイスト&カラー』

ネトフリにあった

『テイスト&カラー』

というフランス映画を見てみました。
原題は、

Les Goûts et les Couleurs 

で、これは

Des goûts et des couleurs, on ne discute pas.

「好みについては、論議しない」→趣味はそれぞれ、
という表現を踏まえているのでしょう。


結論から言えば、
なかなかおもしろかったです。

パリ、シモーヌとクレールは、
もう3年も一緒に暮らしているレスビアンのカップルで、
結婚を考えています。が、
実はシモーヌの実家は敬虔なユダヤ人一家で、
彼女に早く(異性との)結婚をするようにうるさく言ってきます。
そしてシモーヌはどうしても、
クレールとの結婚について切り出せないのです。
そんな時、シモーヌは、
職場近くのビストロのイケメンのシェフ、ワリと、
関係を持ってしまいます。
ただしこのワリはセネガル系で、
とりわけ彼の友人たちは、
ユダヤ嫌いなのです。
ワリの家族も、白人でユダヤ人の女性というだけで、
シモーヌに拒否反応を示します。
シモーヌは、クレールを愛しながら、
ワリのことが気になって仕方ないありません……

テーマとしては、
ユダヤ人というアイデンティティー、
性的多様性、
家族というもの、
などがすぐに目につきます。
そしてこれらが、うまく絡み合って表現されています。
また「パリ」については、
ワリが働いている13区のビストロ、
彼のアパルトがあるオーベルヴィリエ、
さらにはワリの実家があるマルセイユも登場します。
(ただ、都市に対する意識は高くはないようですが。)

結末も意外で、
でもまあ、これしかないような気もするし、
ちょっと「変わった」、
でもいい映画だと思いました。

ネトフリは、
字幕を切り替えると、
フランス語字幕も出ます。
何度でも見られるわけですから、
日本語字幕、フランス語字幕、
そして字幕なしなど、
フランス語の勉強にもとっても役立ちそうです!