2022年5月2日月曜日

『ジャッキー・ブラウン』


というわけで、
タランティーノがパム・グリアを起用した

『ジャッキー・ブラウン』(1997)


を見てみました。
この映画は、公開当時、期待を持って見ました。
その頃タランティーノは、
今よりずっと「期待」されていたと思います。
(もちろん今でもファンは多いのでしょうが。)
で、当時見て、そんなに感心しませんでした。
もっと何か「ふつうじゃないもの」を期待していたからです。
今回見て、
十分おもしろかったですが、
やはり「ふつう」の映画には見えました。

オディールは銃の密売で金を儲け、
その金を、
弱小航空会社の「スチュワーデス」(←当時の言い方)であるジャッキーに、
国外に運び出してもらっています。
けれども、警察にマークされていたジャッキーは捕まり、
そこから物語が動き始めます。
ジャッキーは、
保釈金貸し付け業者のマックスと手を組んで、
オディールや仲間たち、
そして警察をも出し抜こうとするのです……

ここでパム・グリア演じるジャッキーは、
変わらぬ魅力的なルックスと、
『フォクシー・ブラウン』時代とは違うスマートな頭脳を持っています。
ただしその分、
感情にまかせた勢いある行動は影を潜め、
それが、まあわたしには、
ちょっと物足りない感じもしました。
(で、「ふつう」になってしまうわけです。)

この映画内で何度かかかるデルフォニックスの歌があります。
これです。


実は最近、シルク・ソニックのCDをクルマで聞いています。
なので、このデルフォニックスの1969年の歌が、
なにか「最近」ぽく聞こえてしまいます。
もちろんシルク・ソニックは、60年代そのまんま、じゃないですが。

ところでこの映画の中では、
なんと38回も nigger という語が使われているそうで、
たとえばスパイク・リーもそれを批判的に指摘しています。
まあ、映画とはいえ、
97年にそれをやるのは、
もちろんダメだったでしょう。
それを敢えてやった監督は、
ちょっと中二的な印象も?

パム・グリアの作品、
もっと見たいんですが、
日本版は少ないですねえ……