2022年5月3日火曜日

『カーズ』(!)

映画のゼミで「分析」の方法を説明するとき、
何か役に立つかな? と思って、
あまりふだん読むことがない本を買ってみました。
この本です。

『キャラクターからつくる物語創作再入門』

アマゾンの紹介が、
かなり詳しいです。


説明の題材として、
映画もかなり挙がっていました。
言ってることは分かりやすくて、
たしかに「ハリウッド映画」なら、
当てはまる作品がいくつもありそう。
で、その代表の1つが、

『カーズ』(2006)

だったので、
久しぶりに見てしまいました。


やっぱりとても分かりやすくて、
1本見た後でも、
頭がほとんど疲れていないという、
珍しい現象が起こりました。
これは伏線、
と明らかに分かる箇所がいくつもあり、
ちゃんと回収されるのでスッキリします。
構造を理解するには、
こういう映画を題材にするといいかもしれないと思いました。

現国の問題(小説の場合)でも、
映画や小説(ベタな場合)でも、
基本は、

1)主人公(たち)がある状態にある
2)事件が起こる
3)主人公(たち)の考え(生き方)や状況に変化が起こる

という流れなので、
まあ受験の場合は、
これは知っておいた方がいいのでしょう。
変化が起きるポイントに注目して、
その前と後の違いを考えればいいわけですね。
『カーズ』の場合も、

1)マックイーンは、「勝つこと」に至上の価値を見出している
2)たまたま田舎町に入りこみ、そこに留め置かれる。
 (そして、かつてのチャンピオン、
  弁護士としてのキャリアより暖かい暮らしを選んだ女性、
  主人公を「友だち」だと思ってくれるサビだらけのクルマ、
  などと交流する。)
3)マックイーンは、「仲間」こそが価値だと悟る

という感じ。
ベタだし、深みはありませんが、
かっちりとできてるのは確かですね。