2013年2月14日木曜日

戦時下


フランスがマリに軍事介入して、
そろそろ1か月が経ちます。
その間、フランス軍はきわめてうまく事を運んでいるように見えます。
痛手は蒙らず、続々と重要拠点を奪い返しています。

先日本屋で、フランスの雑誌が置いてある棚に行ったところ、
まあそこに置いてあったずべてのフランスの雑誌のトップが、
この軍事介入、というより、この戦争のことです。

フランスは、戦時下にあるわけです。
そう、頭では理解していたつもりでしたが、
こうして並んだ雑誌の表紙を見て、
ああ、こういうことなのねと、現実が迫ってきました。

もちろん、(おそらくどこの国でもそうであるように、)
若い子たちは今日もデートしたり、
喧嘩したり、仲直りの食事をしたり、
また(わたしたちのような)オジサンたちは、
ビールを飲んだり、サッカーを見たり、
金儲けのことを考えたりして、
つまり日常は(表面的には)変わっていないのでしょう。
戦争が、海の向こうだから。

でも当然今回のことで、
フランスがテロの標的になる確率は上がったわけです。
そんなことは誰にもわかるのに、
それでもフランス軍が出動したのは、
それに見合う国益があると踏んだからですね、もちろん。
いくら頼まれたからと言って、
国益の乏しい戦争を引き受ける「国家」はないでしょう。
国家は本質的に、帝国的なものだと思えます。
(だから「国家」が存在するうちは、
世界の人類の平等は原理的に不可能なのでしょう。)

海の向こうで戦争を始めたフランス。
国際的に支持された戦争ですが、
それが戦争であることに変わりはありません。
早く撤退したい、と大統領は言っていましたが、
そしてそれは
(国威も発揚できたし資源も確保できそうだし)
本音でしょうが、
「泥沼」化する可能性もゼロではない気もします。

来月の今頃、「撤退しました」と言っているのでしょうか?