わたしのお気に入りのシリーズである『アイシャ』。
そこに登場するアイシャの父親は、
1952 年にフランスにやってきて、
退職の時には家族を連れてアルジェリアに帰ると、
コーランに誓っていました。
(そうならなかったわけですが。)
昨日書いた Vivre au paradis の場合、
その舞台は、1960-62のナンテール、でした。
夫がここに来たのは(おそらく) 1958、 (=アイシャのパパの6年後)
妻と子供が到着したのが 1960、
あの暴動が 1961、
そしてアルジェリア独立が 1962、
です。
(アルジェリア独立戦争は1954-62)
そしてエンディングのテロップが、
8 年後、つまり 1970 に、
一家はついにHLM に入居できたと告げていました。
しばらく前にご紹介したこの映画、
http://tomo-524.blogspot.jp/2012/09/inchallah-dimanche.html
この映画の舞台は、1974のサン・カンタンです。
(呼び寄せの公認2年前が舞台となっているわけです。)
そしてこの夫は、この時点で10年フランスで働いたという設定ですから、
つまり1964 年にフランスに渡ってきたわけです。
独立2 年後ですね。
つまり……
アイシャの父親は戦前(52)、
Vivre ~の夫は戦中(58)、
Inch'Allah ~の夫は戦後(64)、
ということになります。
前2者は、ビドンヴィルからHLMへ、という道をたどっています。
そして彼らはみな、
移民「第1世代」と呼ばれるわけですね。
今は第2、第3の世代、とはよく言われることですが、
そして彼らを描いた『アイシャ』や『郊外少年マリク』などは、
わたしたちには魅力的に映るわけですが、
第1世代のことを知るのも、
大切だなあと思うのでした。