2013年9月14日土曜日
La Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazy
暑さが戻った今日見たのは、
La Folle Histoire d'amour de Simon Eskenazy
という、まあコメディー・タッチの作品です。
http://www.youtube.com/watch?v=T-YQ_BEOY5Q
個人的にまず引きつけられるのが、
舞台がシャトー・ルージュだという点です。
http://tomo-524.blogspot.jp/2010/08/chateau-rouge.html
主人公のシモンはユダヤ人で、
ユダヤ音楽を演奏するクラリネッティスト。
わがままで支配的な母親の看護を押し付けられ、
別れた奥さんや、会ったことのなかった子供まで、
NYからやってきます。
そして大事なのは、彼がゲイであること。
これはもう大っぴらで、母親もよく承知しています。
(元妻の弟は、ゲイ専門の精神分析医で、自身もゲイです。)
で、
彼は男性たちとお付き合いがあるわけですが、
中で一人、女装したアラブ系のアンジェラが、
なんと彼の母親の看護を引き受け、
しかも母親と意気投合。
でもアンジェラは、ムスリムでした……というわけです。
(上の画像の、シモンの左の男女、これは同一人物=アンジェラです。)
アンジェラは、イスラエルの話をするユダヤ人女性たちに割って入り、
占領した土地は返したほうがいいわよね、
などと言い放ちもします。
ユダヤ人とムスリム(ないしムスリマ)の関係をテーマとした映画は、
何本かあります。たとえば、
L'Union Sacrée
Mauvaise Foi
Monsieur Ibrahim...
Tout ce qui brille
などです。
中でもこの作品は、両者がゲイである点で、
異彩を放っているわけです。
これらの作品を比較するのも、おもしろいかもしれませんね。
そうそう、舞台はシャトー・ルージュなんだから、
シャトー・ルージュものばかりを集めた映画論なんてのもまた、
おもしろいかも。
*この映画、実は
L'HOMME EST UNE FEMME COMME LES AUTRES
の続編だそうです。
こちらは、シモンがまだカミングアウトしてなくて、
結婚して、すぐ離婚しちゃう、みたいな。
話としては、
今回の続編のほうがおもしろそう、かな。
*追記あり:http://tomo-524.blogspot.jp/2013/10/la-folle-histoire-damour-de-simon.html